バンクーバーのチャイニーズレストランの入口に
「NO MSG」
と書いた紙が貼られている。
バンクーバーではかなりの確率でチャイニーズレストランの店頭にこのサインが貼ってある。
上のようにメニューに書いてあることもある。
MSGは Monosodium Glutamate の略でグルタミン酸ナトリウム = 化学調味料のこと。
なので NO MSG というサインは
「当店は化学調味料を料理に使用しておりません」 という宣言なのです。
わざわざそんなことをアピールする理由は、他の店では当たり前のように使用しているが、
「当店は使っていませんよ。お客さん」
と差別化したいからです。
MSGに慣れていないカナダ人は食後に頭痛がしたり喉が渇いたりするらしく、会社の同僚が
「NO MSG」とサインがあるお店で 「ワンタンを食べた直後に頭痛と喉の渇きがひどくなった」 と怒りまくっていた。
「このお店は絶対MSG使ってる! もう絶対行かない!」
僕も同じお店で同じものを食べたがなんともなかったのだが・・・
味の素の国、日本ではどうなのか?
調べてみたらソースなどの調味料を筆頭に、おかし、せんべい、カレーのルー、ラーメンなどほとんどのものにMSGは使われている。日本人は子供の頃からMSGを含んだ食品を摂取しているからなのか、摂取しても問題ない人がほとんど。
最初はこのMSGのことを聞いて怖いなと思ったが、そもそも味の素が体に悪いということは科学的に証明されておらず、僕も自覚症状がないので気になったことがない。
しかしながら、実際に日本にもMSGアレルギーの人もいるらしいとのこと。こんなデータがある。
1960年代に中華料理を食べた少数のアメリカ人が食後に炎症を覚え、眠気、顔面の紅潮、掻痒感、頭痛、体の痺れそして軽度の背中の無感覚などの症状が見られた。これらの症状の大部分は悪化することはなく、しばらくすると消失するというものである。この症状は間もなく「中華料理店症候群」という呼び名がつけられた。
今日では多くの研究によるとMSGと中華料理店症候群とには関連がないとされる。一方、一部の消費者は有害であると信じてMSGの摂取を避けている。
カナダ政府のMSGへの見解では「基本的にはMSGは摂取しても問題ないし規制もされていない。ただし、適度な量を超えないようにしましょう」ということです。
良し悪しの議論はおいといて、ボキャブラリーとしてMSGというキーワードは覚えておきましょう。
今日の英語
中華料理店症候群 → Chinese restaurant syndrome
すごい名前の症候群だ・・・