春の風が大宮の街を吹き抜ける時期、ジャックはシカゴから日本観光に訪れていた。
アメリカでは路上でアルコールを飲むことは法律で禁止されている。
しかし、日本ではそれができるという開放感から、ジャックはロングの缶ビールを飲みながら、心地よい気分で街を歩いていた。すると突然、外国人男に声をかけられた。
「こんにちは、観光ですか?」
男は流暢な英語で話しかけてきた。名前はアリー(嘘の名前)と言い、
笑顔でジャックに近づいてきた。自分はエジプトから来て日本に住んでいるそうだ。
既にビールを三杯飲んでいたジャックは、彼のフレンドリーな態度に気を許し、すぐに意気投合した。
「いい店を知っているんだ。行ってみないか?」とアリーが誘った。
ジャックは新しい経験を求めて、彼の誘いに乗った。アリーが案内したのは、アメリカにはないガールズバーだった。店の中は照明が輝き、笑顔の女性たちが迎えてくれた。
「ここは5000円で飲み放題なんだ」とアリーが言い、二人は席に着いた。
ジャックは初めての日本のガールズバーにわくわくし、ビールを注文した。しかし、酒に強いはずのジャックは、二杯目で意識がぼんやりとしていった。
そして、気づいたら寝ていた。
おそらく、何かが飲み物に混入されていたのだろう。
今までアルコールを飲んで寝たことはなかった。
気づけばアリーの姿はなく、3時間が経過していた。店のスタッフがジャックに近づき、
「お会計、40万円です」と冷たく告げた。
ジャックは耳を疑ったが、財布の中には現金5万円しかない。
動揺しているため、状況を理解できない。
店員に要求されクレジットカードで支払おうとしたが、財布にカードが見当たらない。
後から判明したのだが、ジャックが寝ている間に店側はジャックのカードを使い、30万円の支払いを二度決済していたのだ。つまり、ジャックは既に60万円を支払っていた。
それなのに店側は、さらに40万円を要求してきたのだ。
ジャックは店員の指示でコンビニへ連行され、現金を引き出そうとしたが、キャッシュカードは無効だった。その頃には少し酔いも覚め、冷静になり始めたジャックは、明細を見せるように要求した。
店側は、適当に作った明細を持ってきたが、明らかに不自然な内容だった。
白紙の紙に手書きの雑な明細だった。店名すら記載されていない伝票。
ここから言い争いバトルが始まった。しかし、英語ができない店側と日本語が少しだけ理解できるアメリカ人の主張が、まともな話し合いになることはなく、
英語でのコミュニケーションで難航したため、僕に連絡がきた。
しかし、このとき深夜0時過ぎ。
僕が今から大宮へ行くことはできない。
ジャック&いかつい店員軍団は言い争いになりかけたため、店側は交番へ移動することを提案。
店側は毎日ぼったくりをしているので、このようなやり取りに慣れていると思われる。
ジャックと一味は交番に着くと、警察はこれは民事問題なので、介入できず双方で話し合うよう促した。
警察は助けてくれない。ぼったくり事件が多すぎてすべての問題を解決しようとはしない。暴力や詐欺など事件にならないと動かない。
再び、この交番から僕に電話が。
ジャックは払わないとつっぱね、店側は無銭飲食だ。料金は正当だ。メニュー表にも代金は書いてあると。お客には見せなかったくせに料金表を確認しなかったのは客の落ち度だと言う。
3時間の長い話し合いの末、店側は「後で足りない分を持ってきてください」と言い残し、ジャックを解放した。
店側もすでにこっそりクレジットカードで60万円を決済しているのでもういいかと思ったのだろう。
解放されたジャックはすぐにクレジットカード会社に連絡。
クレジットカード会社側はすでに、この請求は怪しいと判定しており、処理は一時停止としていた。
最終的にクレジットカード会社はガールズバーの請求を不正と判断し、支払いは処理されなかった。
結局、クレジットカードでの請求は0円となった。
ジャックの実際の被害は現金の5万円だけになった。
「これは勉強代だ」と自分に言い聞かせたジャックだった。しかし怒りが収まらないのはエジプト人アリーだ。
後日談で、アリーは同様の手口で他の外国人を騙していたことが判明。地元でも知られている男だった。
アリーの情報はLinkedInに載っており、顔と名前は分かったが、明確な証拠がないため追及は諦めた。
「酔っ払っていなければ、相手を制圧することもできたのに」と冗談交じりに言うジャックは、合気道の達人でもあった。
日本に来る外国人観光客がぼったくりに遭わないようにこれは広めてほしいということで、ここに記しておきます。
ってこれを読んでるのは全員日本人だから、全然伝わらない。
その後、シカゴに帰ったジャックは奥さんにすんごい怒られたそう。
治安のよい日本でもぼったくり店は外国人もターゲットにするようになったので気を付けましょう。
インバウンドをターゲットにした新たな生き残りバトルがこうやって繰り広げられていることを知った。
そうゆう店は全部潰れてほしい。
ぼったくり
rip-off
あのタクシーはぼったくろうとした
That taxi driver tried to rip me off
アメリカ人観光客が大宮のガールズバーでぼったくり被害にあった
An American tourist fell victim to a scam at a shady bar in Omiya.