「俺いつか起業して社長になります!自分のビジネス始めます!」と言っているサラリーマン男子の話

カナダ生活

 

~広告代理店勤務のある男の話~

senpai

「ふぁー今日も疲れたなあ」

「あのクライアントはこっちの質問には返事をしないくせに
『あれはまだか?』 『これはまだかっ?』
って連絡してくるんだから、困っちゃうよ」

「担当者がこっちに依頼するのを忘れていたくせに、焦ってそれをなるはやでやれって・・・なんでもこっちのせいだもんなー」

「でも今日は少し仕事が進んだからいいか。帰りにスタバ行ってコーヒー飲みながら本を読もうっと」

「あ、でも代官山のTSUTAYAは混んでいるから、今日は恵比寿のサンマルクカフェにしておこうかなあ。あそこも混んでいるかな・・・」

代官山のTSUTAYAは見た目いけてるオシャレ人が集まってて雰囲気がいい。僕もその一員になれる気がする。

カバンにずっと入れたままにしてなかなか読んでいなかった話題のビジネス書だ。

『シリコンバレーの完全起業マニュアル』 みたいなタイトルの本。

 

―サンマルクカフェにて

「さて、本を読もうか。

おっと友達から来週の飲み会のお誘いメールがきていたからその返事をしないとな」

その合間にグノシーで流れてきた話題のニュースもチェックしてと。

Gmailにも読んでないメルマガがたまっていたな。

あーなんだか忙しいな。

 

(ピロン ♪) 

携帯から音が鳴った

お、Facebookで友達からメッセージがきた。

えーあいつ転職したのかー。マジかよ。リンクドインやっといたほうがいいのか。
よし、あいつを飲みに誘ってきいてみよ。

ん!?
友達がいいねしてるこの記事面白いな。バイラルなんとかってやつだな

この 「できる男になるための10の法則」 の記事もいいな。Facebookでシェアしとこ。

仕事に役にたちそうな情報をシェアしてる俺ってなんか賢い感じるがする。

みんないいねしてくれるかなあ。

よし、一通りネットで情報収集したぞ。

読みたい本が多いのに、なかなか読む時間がない。

あれ?
気づいたらもう22:00だよ。

お腹すいてきたなあ。

釜揚げうどんはまだ開いてるかなあ。

昨日もうどんだったから今日は大戸屋のほうがいいかも。鶏の黒酢あんかけがうまいからな。

その前にサクッと今日学んだことをメモっておこう。

(モレスキンのノートに書き込こんでいる)

使い始めはキレイに書いていたのに、10ページも書いたらもう適当に書くようになってゴチャゴチャだ。

でもやった感はかなりある。
このノートをみていると俺すんげ知識増えてきてる。
って再確認できる。

「よし、この頑張りをツイートしとこ」

「起業に向けてちゃくちゃくと、ビジネスプランを作っている、なかなか大変です」っと・・・

これで、みんなにあいつ頑張ってんやん

と思われちゃうなー
また俺の評価あがっちゃうぞー
くーう

はースッキリした。
今日も頑張ったな俺。

・・・

・・・

・・・

ちょ、待てよ。昨日もこんなことしてたな。

いや、まてよ先週も先月もこんなことしていたぞ。

俺かなり頻繁にこんな一日を過ごしている・・・

マジかよ。

去年の今とは働いている場所が違うだけで、やってることはなんも変わってない。

こんなんでいいんだろうか?
成長してるのか?俺

お給料も特にアップしてないし、なんか急に不安になってきたぞ。

先輩に相談してみよう。

 

 

―3日後 コメダ珈琲にて

 

senpai

「先輩、俺なんか年末になってきて焦ってしまってます」

「いま自分がやってることは正しいのかわかんないです」

「プロテインがぶ飲みしちゃうし」

 

ター

「待て待て、いったん落ちつこ」

「いろいろ考えたり、勉強しているのはわかった」

「でもその情報を使ってなにかを生み出したり、作り出しているのかい?」

 

senpai

「・・・」

「そーいや、俺インプットばかりして形になるようなことはなにもしてねっス」

「ためになりそうな情報を読んで、なんとなくなにかやっているつもりになってるっス」

 

ター

「モレスキンのノートにアイデアたくさん書いてるよね?それはどうなんだい?」

「仕事の役に立てたり、なにか成果をだしているのかい?」

senpai
「目に見える成果はないっス」

「でも、かなり深く考えているビジネスアイデアはあるんですよ」

 

ター
「そのアイデアに自信はあるのかい?」

senpai
「もちろんあります。これで起業したいって思ってます」

ター
「そんなに良いビジネスのアイデアがあるのに、なぜすぐやらないんだい?」

senpai
「自信がないんす。これが当たるかはわかんないからです」

ター
「確かにそうだよね。確実に儲かるビジネスって最初から分かっているなら他の誰かがとっくにやってるよね」

senpai
「でも俺のアイデアはもっととんがってるから、いけると思うんです」

ター
「そう思うならやってみたらいいのでは?」

「でもやらないのはどうしてだい?」

・失敗したくない
・自信がない
・お金を使いたくない
・スゴイ人が突然現れて、投資をしてくれるのを待っている

のどれかかな?

「もしくはやらないんじゃなくて、やらなくていい理由ばかり探してんじゃないかい?

やらなければ、失敗しないし、みんなからもダメなヤツって言われないもんね」

senpai

「・・・」

「でも・・・」

ター
「自分がやりたいことと世の中にニーズがあることは違うよ」

「自分が作った物やサービスがみんなに望まれているとは限らないよね」

「自分がすごい良いって信じすぎている。思いが強すぎていないかい?」

「これはいける!いけるぞーって 思いこんでないかい?」

「誰かにそのアイデアについて意見をきいてみたかい?」

senpai
「きいてないっす」

ター
「じゃあ、仮にそのアイデアが素晴らしいとしよう」

「やったらすごく売れてお金が儲かるとしよう」

「その素晴らしいアイデアはまだ形にはなっていない。でもそれっていったいなぜかな?」

senpai
「今、準備してるところなんです」

ター
「その準備はいつ終わるの?」

「いつから動き始めるの?」

senpai
「近いうちに・・・って思ってます」

ター
「毎日をなんとなく忙しく過ごして、やってる感を少し感じ、不安をなかったことにすりかえてないかい?」

「やってないのは自分のせいなのに、毎日が忙しからってことにしてないかい?」

senpai
「そうかもしれないっす。でも正直失敗すると恥ずかしいじゃないっすか」

ター
「じゃあなんでビジネスをやりたいの?」

「まわりに素敵と思って欲しいから?」

「それは完全に受け身の発想じゃないか?他人から評価されるためにやりたいのかい?」

senpai
「いいアイデアだと思ったから。これならできるかなって」

「だから、ビジネスプランを考えて、情報を集めて来るべきタイミングに備えて準備しているんです」

ター
(準備か・・・)
「それはどのくらい準備をしているんだい?」

senpai
「2年くらいです」

「ビジネスプランを作ったり、セミナー行ったり、本を読んだりしてます」

ター
(2年も・・・か)

「ちょっと待った」

「できる人というのはそんなことをしている暇はないよね。

インプットよりもアウトプットのほうが多いんだよ。

そうしないと、なにも前進しなくない?

情報を集めるだけ集めて満足してないか?

行動しないとただの情報収集マニアだよ?

知っているとやっている
には無限の距離があるんだ

senpai

「・・・」

 

ター

「俺もとっくに考えてたよ、そんなの」

「あのビジネスはうまくいかないっしよ」

「だめだよアプリはゲーム以外は稼げないじゃん」

「と自分でやってもいないのに批判だけするインテリ系サラリーマンってたくさんいるよね。

それと同じことだよ。

他人がどうこういうからやるのではない。

自分はこれをやりたいからやるんじゃない?

それとも他人からすごいって思われたいからやるの?」

senpai
「正直どっちもです」

「オレ起業するって言うと、みんななんかかっこよく思ってくれるし、それに向けて準備をしていると実際にはなにも、進んでなくてもノートの上ではどんどん前進しているからやった気になってるのかもしれないっす」

「あと、いつも心のどこかで、おれはみんなとは違う。みんなより優れているって。だから成功したいんです」

ター

「起業なんて自分が社長って名乗ったらそれでできるんじゃ?」

「それよりもビジネスは継続するほうがうんと難しいよ。まわりにどうこう思われるのはもうやめて、自分がどうなりたいかを考えたほうがよくない?どうなりたいんだい?」

senpai
「・・・」

「自分で稼ぐ能力を身につけたいです。そして自分がやりたい仕事をできるような環境を作りたいです」

ター
「そしたら今、安定した収入があるうちにベースを作っておいたらいいよね。

簡単に言えば副業だが、仕組みを作る練習はできる

やってみたらいいじゃん!その温めているコンサルビジネスを!」

「会社勤めやバイトじゃなくて、自力で1万円稼ぐことができる人ってなかなかいないんだよ。
そんな行動できるのはほんの一握りだよ。

まわりをみてみろよ。
友達5人の平均年収が自分の年収なんて言うだろ。
そこに満足してないんなら
なにかを変えないと。

なんでも最初は自信ないし、怖いし、わからないことだらけ。

でもそれを理由にして、頭の中だけで考えてないで

できる方法を考えて練習してみたらいいんだよ」

senpai
「確かにいまは安定しているから、追い込まれていないですよね」

「だから、なんか
いつかやればいいなって思って
行動してなかったです」

「わかりました。先輩!」

「もう情報収集はやめて、動きだします!」

 

「俺やります!」

 

 

 

running

 

 

 

タッタッター

 

 

 

 

ター

おいおい、なんか勢いはすごいやつだな。どうなるか楽しみだ。

・・・

「つーか 会計してから行けよ!」

 

 

―1年後

 

 

ター

「久しぶりだな。どうした急に呼び出して」

senpai
「ちょっと相談がありまして・・・

先輩、俺なんか年末になってきて焦ってしまってます。

いま自分がやってることは正しいのかわかんないです。

プロテインがぶ飲みしちゃうし

あとずっと考えてたビジネスアイデアがあるんですけど・・・」

 

 

!!!

ター2「・・・」

 

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終わり

 

あとがき
この話はフェイクを少し入れてますが、ノンフィクションです。
これは20代の時の僕の話です。そして、ここで登場する先輩は今の僕です。実際に先日こんな話を後輩としたので合作してみました。

英語の話がまったくでてこない点は温かくスルーしてください。そう、あの人からのLineを既読スルーするように

 

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