英語を話しているとネイティブが
和田屋湾?
と言った。
正確にはそうは言ってないが、自分にはそう聞こえた。
ワダヤワン?
どこかの港でしょうか?
ワダヤワン ← これ英文にしてみてください。
答えは一番下に。
英語の聞き取りが難しい理由
ワーホリに行って2ヶ月すると、ちょっとづつ英語が聞こえるようになってきている気がしていた。相手の話していることの三分の一くらいが耳に入ってくるようになった。しかし聞こえてもそれがどの単語なのか頭の中で当てはめることができないことが多かった。その理由は聞こえてきた英語と自分が知っている単語に差があったからだ。
まず最初に思った疑問がこれ
What are you doing?
は ワッ アーユー ドゥイン? とは聞こえてこない
ということ。
日常のスピードでは 「ワラ ユー ドゥイン」 もしくは 「ワダ ヤ ドゥイン」 のように聞こえる。
What are you doing → Wha da ya doing
この What are が Wha da と聞こえてくると頭の中で変換ができない。そんな単語は学校で習っていないから僕の頭の中にそんな不思議な単語は存在しない。
志村けんの伝説のギャグに
「そんですん、わだしがへんなおんじさんですん」
というのがある。
これを正しく
「そうです、私が変なおじさんです」
と日本語がネイティブじゃない人が正しく聞き取るのは、かなり難易度が高いのと同じような理由だ。
どうして英語はスペルと違うように聞こえてくるのだろうか?
What are you doing? はノーマルスピードでは Wha da ya doin ワダヤドゥイン と聞こえるが
What の t の音はどこへ消えたのか?
そしてなぜ ワット → ワラ や ワダに変化するのか?
この理由をその時はまだ知らなかったが、うんとうーーんと後になって分かった。
それはリエゾン、フラップ、子音の脱落の3つが理由だった。
リエゾン?
フラップ?
子音の脱落?
それぞれ説明します。
リエゾン
リエゾン = 単語と単語がつながること
リエゾンは子音で終わる単語の次にくる単語が母音で始まる時に発生する。
子音 母音の順です。
例を見てみましょう。
Can I see キャン アイ の間がつながりキャナイになるのはみなさん知ってますね。なぜでしょう?
リエゾンです。
Canのnが子音、そして次にくるのが母音の I。
子音+母音 でリエゾンが発生してキャナイになります。
Can I → キャナイ
Get it はどうでしょう?
Get の t(子音) の次に i(母音) が続いているのでリエゾンして、 Get it → Geti ゲティ となります。
そして Get のt は 早く発音すると弱形というルールのため t が d の音に変化します。
Get it → Geti → Gedi ゲディ
もう1つ見てみましょう。
Check it out はリエゾンで checki dout になります。
そしてよくみると checki tout ではなく checki dout チェッキダウ になっています。
TがDになります。
このTがDに変わること (正確にはTが母音に挟まれているときに起こる現象)はflap フラップと呼ばれます。
Check it out
tの前にi、後ろに Oがありますね。母音にはさまれています。ここでフラップが発生してtがdに変化します。
他の例をみると
Better → ベラー(ベダー)
Water → ウォーラー(ウォーダー)
Later → レイラー(レイダー)
t + 母音で連結が発生し、日本語のラ行とダ行に近い音に変化します。
英語には弱形と強形がある
英語の発音には強く発音する強形と弱く発音する弱形があります。強形と弱形では同じ単語を発音して変わるものとあまり変わらないものがありますがこのルールはすべての単語にあてはまります。
例えば、You は 強形では「ユー」と言いますが、弱形では ユとヤの間の中間になるためネイティブの会話では
「What are you doing?」 は ワダヤドゥイン となります。You の部分が ユのようなヤに近い音になります。
英語には消えちゃう音がある
What の t が発音されないことは知っている人も多いですが、その理由には破裂音 (b p t g k d) が抜け落ちる Deletion と言われる脱落が発生するためです。
Good morning → グッモーニン では good のdが脱落しています
Hot tea → ハッティー は hotの tが脱落してハッになります
Twenty → トゥエニイ Tweny (子音Tの脱落が発生)
Good boy → グッ_ボーイ Goo_ Boy good の d が脱落
ということでいろいろ解説しましたが、3つの合わせ技が起きている例が
What do you want (ワダヤワン) です。
↑これが冒頭に出した問題の答えです。
さあ、これであなたもグッとネイティブ発音に近づくことができますね。
コツコツとやっていきましょう。
追記
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