バンクーバーから車で1時間の距離にフォートラングリーという街がある。
車にナビがないのでボンヤリと前の車についていったり、適当にドライブしていたらたどり着いたのがこの街だった。昔は栄えていたのかもしれないと思わせる古ぼけた小さなお店が並んでいるストリートがあった。古さを感じるが居心地のよいところなんだろう。特に観光地としてアピールもしてないので日本人観光客は来ない街だ。
アンティークショップが多いのは歴史のある建物が多いからだろうか。
写真を撮らなったので、画像検索してみるとこんな感じ↓
この街の公式ウェブサイトはちゃんとある → http://www.fortlangley.com/ (英語)
この街で気の向くままに車を走らせていると一軒のカフェを見つけた。
地元の人しか行かないような小さなカフェ。僕のアテにならないアンテナが反応したので入ってみた。店主から見たら子どもみたいな顔した謎のアジア人が突然フラッと入ってきてひとりで席に座る。
「ここまで何しに来たのか?」とおもったかもしれない。自分でもアウェー感あるお店によく入ったなと。
それでもすぐ脱出できるように窓際のテーブルに座った。なぜか逃げたがる小心者。
ポテトスープください Can I have a potato soup please
と伝えると、店員のおばちゃん(カナダ人)が
「はーいわかりました」
と流暢な日本語で答えた!
ええー!?
驚いた僕はどうして日本語ができるかおばちゃんにきいてみた。
「名古屋で三年間英語の先生をしてたんだよー」
まさか、こんなところに日本語使いがいたとは。
大学生のときバンクーバーのテイクアウト専門のピザ店で、ピザの焼き上がりを待っていた。レジの向こうではイタリア人風なヒゲもじゃおやじがピザを焼いていた。
僕は何の気なしに一緒にいた友達に
「このおやじ焼くの遅っ!」
「まだかなあ」
と日本語で言ったら
ひげモジャおやじが
「はいはい」
「もうちょっとだから待ってねー」
とネイティブな日本語で答えた。しかも笑顔で!
ふぁ!?
僕はまさかこのおやじが日本語が話せるとは思ってもなかったので、とても気まずい思いをした。
「・・・あ、そうですか・・・わかりました 汗」 と半笑いになった。
あーきまずい。ごめんなさい。ひげモジャおやじ。
でもペパロニピザはおいしかった。
それ以来、海外でもうっかり日本語が分かる人がいるかもしれないので、不用意なことは発言しないようになった。
そしてこのカフェにもそんなトラップがあったのだ。いい意味で。
おばちゃんは日本語を話したかったそう。でもだいぶ忘れてしまっているので僕は日本語で話しおばちゃんが英語を話すやり方で会話をした。
このお店のポテトスープが美味しくてまた行きたいのだがはっきりどこにあったのか、そしてお店がまだあるのかもわからない。Googleマップでみても見つけられない。この夏にドライブがてらまた探してみるとしよう。
まるで途中下車の旅みたいだ。こんなところで三ツ星レベルのスープに出会うとはすごく得した気分。スープとコーヒーで6ドルくらいだったがチップを多めにおいてきた。
新橋のたまたま入ったションボリしている定食屋でほっけ定食(890円)にサービスで美味しい豚の角煮がついていた。特別なオマケと期待以上の味で、嬉しくなった。それからリピートするお店になった。
どうしてうれしいのか?
単純なことだが、期待値と満足度の差が大きいと比例してうれしさ度があがるからだ。この定食屋は値段も安いし、そこそこの味だろうなと最初から期待値が低かった。
しかし出てきたものが期待を上回るレベルの味と品質だったので、満足度が高くていい店と判断した。
計算式にすると
[食べたときの感動値] – [金額から想定する期待値] = [満足度]
A – B = C
C=>0の場合、びっくりもなくがっかりもなく「ふーん普通にうまい」となる。
なおこの数値はあくまでも感覚値なので、人により大きく異なる。普段から高級店で食事をしている人と、外食をまったくしない人ではかなりの乖離がでるだろう。
新橋のほっけ定食の場合
期待値 30ポイント
感動値 70ポイント
満足度 +40ポイント
「ちょっとマスター!これすごくおいしいねえー!(期待してなかったぶん)」となるパターン
つばめグリルのハンバーグの場合
期待値 70ポイント
感動値 72ポイント
満足度 +2ポイント
「うん、おいしい」 想像していた通りのおいしさにちょっとだけプラス
吉野家の牛丼の場合
期待値 0ポイント
感動値 0ポイント
満足度 0ポイント
想定通り「すべてがふつう」特にサプライズはなにもない。
ここで聡明なあなたはお気づきだろう。当然に逆のパターンもある。
行列ができる3000円のホットケーキを食べに行ったが皆が騒ぐほどおいしくはなかった場合。
期待値 100ポイント
感動値 50ポイント
満足度 -50ポイント
「3時間待ったからワクワク・・・クリームの量がすごいね・・・すごいボリュームでも全部食べられない。食後→そんなでもなかったね」
期待値が高すぎて、満足度が低いパターン。これだとリピート客にはなかなかつながらない。最初から期待が大きいので、きっとすごいのがでてくるはずだと、ハードルをあげているからである。高級レストランはこれを間違えるとがっかり度が高くなるのでもう二度と行かなくなる。
そして、海外での食事にも同じパターンが当てはまる。
韓国や台湾の料理は美味しい。値段が安いのに美味しい。
しかし、アメリカはどうだろう?
安くなくて普通がほとんどである。
これが逆に飛び抜けているのがイギリスの食事。
安くないのにおいしくない
高級店はたまに美味しい。値段が高いから期待値も高いのに味がよくないから、評価ががくんと下がる。イギリスの物価が日本の10分の1ならみんなここまで酷評しないのである。安いと最初から期待しないので。
吉野家の牛すき焼き定食を食べたアメリカ人が。
「これヤバイ」
「この値段でこれはヤバイ」
と絶賛していた。
数字にすると
期待値 0ポイント
感動値 150ポイント
満足度 +150ポイント
「ヤバいうまい、親戚中に知らせないと。すぐ知らせないと!」
なお僕の好きな赤坂のちらし寿司ランチ(1500円)は
期待値 80ポイント
感動値 90ポイント
満足度 +10ポイント + どらやき
お会計時にレジのおばちゃんがどらやきをくれるので
A – B = C + どらやき = 10ドラヤキ点 となり僕の心をガッチリキャッチしています。
がっかりした英語
すごくがっかりした → I am so disappointed
会話ではこれよりも
がっかりした → I’m bummed out
を使うことが多い。裏切られて残念、落ち込んでいるニュアンスがあります。
What a bummer なんて言ったりもします。 意味 → (期待外れで)ガッカリだね
がっかりさせないで → Don’t let me down