「これはなにかおかしい」
「絶対おかしいぞ」
もしや騙されているかもしれない。
心臓がドキドキしている。ものすごい焦りの中、自分を落ち着かせてみる。
「大丈夫だ。なにかの間違いに決まっている」
整理するとこうだ。
● 当選したのはあくまでもツアーをひとり分安く買える権利。
● 50ドルはその権利を保持するための前金。しかし実際には1600ドルが請求されている。
● フロリダに現地集合となっているので、バンクーバーからフロリダ往復飛行機は自分で手配する必要がある。
これって、結局はなにも当たっておらず普通にちょっと安いクルーズ旅行をお金をだして買っただけじゃないのか。
しかも1人分。
クルーズに行くのに1人で行ってどーするんだ。
そんなわけないだろ 怒
「これは騙された」の確定だ。
確認するためにこのツアー会社のコールセンターに電話をかける。
しかし音声案内につながり延々と待たされる。
スピーカーモードにしてひたすら待つこと10分。
オペレーター 「はいラマダツアーです」
電話がつながった。
自分 「フロリダツアーが当たったけどお金が請求されています。知らなかったのでキャンセルしたいのですが」
と丁寧な言葉で説明した。
オペレーター 「ではキャンセル料金がかかりますが・・・」
自分 「いくらですか」
オペレーター 「ツアー代金の30%です」「お客様の場合ですとツアーは4000ドルなので1200ドルになります」
自分 「は!? なにそれ?」
オペレーター 「当選したのはクルーズでしかも請求書は50ドルだったはず。どうして4000ドルなんでしょう?」
オペレーター 「4000ドルのツアーに申し込まれていますので30パーセントの1200ドルになりますが・・・」
おいおいどんなこじつけだよ
「それはおかしいし払えない。詐欺じゃないですか?」
と交渉し続け、結局オペレーターじゃ話にならないのでスーパーバイザーが折り返し連絡をするというので電話を切った。
キーーー
全く納得できないまま、この会社はどんな評判なのかネットで調べてみた。
すると詐欺被害にあった人がコメントをアップするサイトがたくさんみつかった。そこにはこの会社の名前もあった。
やっぱりそうだったのか。
信じたくなかったけど騙されたんだな。
しかたなく1人で行った人。
パートナーの分も購入した人もいる
なんてこった
頭を抱えて青い顔をしているとスーパーバイザーから電話がかかってきた。
オペレーターに言ったことをまた最初から説明し、相手の出方を待つ。
「旅行に申し込んだのはアナタだから行かないならキャンセル料をとります」の一点張りで電話を一方的にきられた。
気を取り直しネットで同じ詐欺にあった人たちがどうにか解決してないかサーチをした。
そこで1点ひらめいたのはクレジットカードに請求がいかなければ払わなくて済むのではないか?
と思い日本のクレジット会社に電話をしてみた。
「すみません、カナダで詐欺にあいクレジットカードに不当な請求をされてるので支払い処理をストップしてくれないですか?」
オペレーター 「かしこまりました 状況はわかりましたので上司に相談をします」
「ふう 前向きな感じの対応だったからこれでなんとか解決するだろか」 と少し落ち着きを取り戻してきた。
–翌日
また日本のクレジット会社に電話をし、クレジット会社の対応に愕然とした。
「請求する会社側が例え詐欺といわれていてもクレジット会社としては法的な命令がないかぎり処理を止めることはできません」
ががーーん
結局、会社なんてそんなものだ。
お客様の保護よりも自社の儲けが優先なのだ。
法律上はしかたない
ってことで対応はしてもらえなかった。
ガックリと肩を落としていると、たまたま知り合いのカナダ人から電話があった。この話を説明したら弁護士に相談することをおすすめしてくれた。
ただ手数料を計算したら損害額くらいの費用がかかることが分かったので弁護士は最終手段ということにした。
ある詐欺被害者のサイトを読んでいたらフロリダの法律では、電話勧誘での契約は10日以内なら無条件にクーリングオフしなければならないと記載されている。
ただし会社がフロリダにないとこの法律は適用されない。
これはもしや!?
と調べてみたらこの詐欺会社の所在地を調べるとなんとフロリダ!
この法律を知った今、風向きは自分にある。
「バシッとやっつけてやるからな」
「待っとけ」
強気で電話をかけた。
あいかわらずコールセンターは延々と待たされるが、しぶとく待っていたらつながった。
自分 「フロリダクルーズキャンセルしたいんだけど」
オペレーター 「キャンセル料金かかりますが・・・」
とここまでは前回まったくと同じ流れだ。 まるでお互い台本があるかのよう。
しかーし、今回違うのは自分は法律を知っている。
自分 「いやーフロリダの法律では無条件にキャンセルできるんですけどねえ。ユー知ってた?そのこと知ってた?」
と言ったら
オペレーター 「は、 はい さようでございます」
(手のひらを返したような態度に変わった)
自分 「じゃークレジットカードの請求は止めてくださいね」
オペレーター 「はい手続きをします。1週間ほどでリファンドされます」 「ほかになにかご用件はございますか」
なしっ! と心の中で言った。
結局、全額返金されるまでに4週間かかった。
今、思えば最初の時点で怪しいと思うべきだった。
幸い、フロリダの法律を見つけることができたので被害はなかったが、もし延々と引き伸ばされてクーリングオフもできない状態になったらかなり面倒なことになっていただろう。
うまい話なんてないものだ。
もう二度と旅行が当たるキャンペーンになんて申し込まないぞ
っと決心したのに、今でも応募用紙に記入してたりする。
詐欺の英語
詐欺は英語でScamやRip off といいます。
◆ This is a scam これは詐欺だ
◆ I was ripped off 詐欺にあった
◆ Sweepstakes Scams 宝くじ(当選)詐欺
◆ Prize Scams 商品当選詐欺
こちらのサイトでは同様の被害報告が多数寄せられています。
http://www.lookstoogoodtobetrue.com/stories.aspx (英語)